9月10日は早朝から各所の状況を確認して来ました。すでに北台川、鬼怒川堤防からの越水が始まっていましたが、やがて常総市で決定的な鬼怒川堤防の決壊が起きることになります。車移動中も、そうした事を予感させる空模様が続いておりました。
下妻結城線から左折すると、坂を下ったところにあるビアスパークの駐車場です。
鬼怒川越水が、すぐそばのビアスパークに押し寄せ、駐車してあった車も、屋根まで 水に浸かってしまいました。
ビアスパークの野菜売り場は、ほぼ軒下までの浸水でした。
この建物の前には、農場・バーベキュー広場などがありますが、当然ですが、全部、冠水してしまいました。
軒下まで浸水すれば、その建物の中は、水浸しになります。
野菜を置くための台は、木製なので水に浮いているのだと思います。
写真中央が、ビアスパークしもつま、です。
中央左よりの森の中にあるのは、ふるさと博物館、です。
そして、写真上のほうにある蛇行している川が、鬼怒川で、一面、茶色ににごった水面が、越水が起きたことを表わしています。
別角度からの鬼怒川越水です。
写真のほぼ、下半分が鬼怒川です。
ビアスパークは、右上のほうに見えます。
前の写真と合わせると、写真中央を斜めに湾曲している鬼怒川の土手がほとんど判別できません。
いつもは、川の中央部分だけしか水のない鬼怒川なのですが、こんな風になってしまえるのです。「まさか、この堤防を越えてくるとは思わなかった」と皆さんの感想です。堤防の設計基準としても『想定外』だったのでしょう。
しかし、もう、「想定しなければならない」ことが分かりました。『堤防を越えられ たら、堤防以上の高台以外は、浸水を免れることはできない』のです。
写真の中央部分にある滝のように流れ落ちる濁流。その奥には鬼怒川があって、越水 したのです。それがどんどん手前に流れ込んで来ている「前河原」の様子です。
写真は、その越水が引いた後、です。
鬼怒川の越水によって、こういう場所が、水没してしまうのです。
『越水』といっても、実感がわかない、と仰る方への動画です。(こちらをクリック)
前河原地区の越水について、写真の場所を動画でお見せします。
越水された場所は、川と同じになる、のです。
写真は、お見せした前河原越水の場所ですが、道路はえぐられ、右側の田んぼは、泥で埋まっています。写真のような大きな袋に土石を入れて水の流れを食い止める作業 をしました。幸い、これが功を奏しましたが、前河原地区のほかにも甚大な被害を及 ぼす恐れがあったのです。
同じ前河原の越水を封じ込めようと、重機を使って例の袋を積んでいます。
安全な作業ではありませんが、こうした努力によって前河原地区以外への被害を防げたのです。
私が立っているのは、鬼怒川の東側土手、です。
この土手の道路面とほぼ同じ水位まできている鬼怒川です。
この状態が続くと、堤防の中が侵食されて行き、やがて堤防決壊に至ります。
本当に、ほんとうに、危ない状況だったのです。
これを見れば、下妻地区全面水没の可能性もある、と思えてしまいます。
なんとも不気味な状況でした。
しつこいようですが、もう限界に達した鬼怒川の堤防、です。
ほんとうに、真剣に河川管理をして行かないと、流域地区は、とんでもないことにな る、と知っていただきたいのです